2022年6月にサンスター文具より発売されたメタシル(metacil)は、金属鉛筆(メタルペンシル)というちょっと聞きなれないジャンルの筆記具です。
累計販売本数25万本を超えるヒット商品として、日経トレンディの2022年「業界別ヒット商品 文房具部門」の大賞に選ばれるなど話題を集めました。
今回はそんなメタシルについて詳しくレビューしていきます。
気になる書き心地や削らずに書ける仕組み、替え芯についてなど。
メタシルのこと気になるけど、まだ試せていない方はぜひこの記事を参考にされてください。
独特の書き心地の筆記具、メタシルを詳しくご紹介します。
メタシルとは
メタシルとは黒鉛を含む特殊合金製の芯で、削ることなく16kmもの筆記が可能な金属鉛筆です。
鉛筆やシャープペンと違って、芯が減らないため集中力を切らすことなく書き続けられるという特徴を持っています。
本体軸部分もアルミ製のやや重みのあるメタル感で、スタイリッシュなデザインも魅力の「削らず、書ける」大人の鉛筆です。
サイズ | W7.8×H160×D7.8mm |
重量 | 14g |
材質 | アルミニウム・特殊黒鉛・銅 |
芯 | 2H相当(16km 筆記可) |
価格 | 990円(税込) |
カラー | ブラック、ホワイト、ネイビー メタリックブルー、メタリックレッド メタリックグレー |
替え芯 | 販売あり(440円 税込) |
特徴 | 自宅やオフィスで使用される方におススメ |
メタシルライトノック
メタシルライトノックはメタシルの特徴を活かしつつ、メタシルを利用するうえで指摘されていたいくつかの気になる点を改良し発売されたメタシルの新シリーズ製品です。
サイズ | φ10×H145mm(クリップ部分含まず) |
重量 | 8g |
材質 | ABS(合成樹脂)・黒鉛・合金 |
芯 | H相当(5km 筆記可) |
価格 | 385円(税込) |
カラー | ブラック、ホワイト、ライトブルー ミントグリーン、イエロー、グレー ライトピンク、ライトバイオレット、サンレッド、ムーンネイビー、ボタニカルグリーン 他 |
替え芯 | 2024年1月販売開始(198円 税込) |
特徴 | クリップ付、ノック式 胸ポケットやバック内での携帯に便利 |
メタシルは硬質な芯だからこそ鉛筆の2H相当とされる筆跡がやや薄いことや、芯部分が露出しているため持ち歩きには不向きであることなどが指摘されていました。
メタシルライトノックはノック式のため芯部分を本体内に収納することができ、芯の濃さも鉛筆のH相当に1段階濃く改良されています。
また、メタシルライトノックは本体軸部分がABS樹脂製になりメタシルよりぐっと軽量化されています。
カラーもダークカラーやメタリックカラーをメインにしたメタシルと違い、ペールカラーなど明るい可愛らしいカラーバリエーションになっています。
価格も税込み385円と低めに設定され、メタシルの特徴を活かしつつ学生や若い方でも手に取りやすい商品になりました。
メタシルポケット
メタシルポケットはメタシルを携帯しやすいサイズ感にし、さらにレザー調のキャップまで付属させ発売されたメタシルの新シリーズです。
サイズ | W7.8×H120×D7.8mm |
重量 | 10g |
材質 | ABS(合成樹脂)・黒鉛・合金 |
芯 | 2H相当(16km 筆記可) |
価格 | 1,100円(税込) |
カラー | ブラック、ピンク、ブルー、ホワイト、ベージュ、ネイビー |
替え芯 | 440円(税込)メタシルと共通 |
特徴 | 軸と同色のレザー調のキャップ付 メモや手帳と合わせて持ち歩きたい方におススメ |
メタシルは携帯するにはやや長く重たいのが難点でした。
さらに芯部分が露出しているため、ぶつけたり落としたりで芯先が折れる心配もありました。
そんな問題点をまとめて解決した商品がメタシルポケットです。
メタシルと同じ金属製の軸のため、やや重量感はありながら長さは4分の3程に短くなりました。
さらに軸と同色のレザー調のキャップはシンプルなデザインで、芯先をしっかりと保護してくれるので手帳やメモと合わせて携帯するのに便利です。
出先で使用するメモや手帳にはペンではなく鉛筆芯を使用したいと思っている方にはおススメのメタシルです。
メタシルスクール
メタシルスクールは竹素材を軸に使用し軽量化された、学生向けのメタシル商品です。
サイズ | φ8×H140mm |
重量 | 本体 3g |
材質 | 竹・特殊黒鉛 |
芯 | F相当(5km 筆記可) |
価格 | 330円(税込) |
カラー | ナチュラル、ネイビー、ライトグリーン、ライトバイオレット |
替え芯 | 198円(税込) |
特徴 | 軽量でナチュラルな触り心地 鉛筆と同じ感覚で金属芯を楽しみたい方におススメ |
環境にも配慮された素材の軸は触り心地もデザインもナチュラルで、重さも3gとメタシルの4分の1以下になりました。
特殊合金製の芯のため削らなくても長時間書き続けられるメタシルのメリットはそのままに、竹素材の軽量な軸で長く使用しても疲れにくい特徴があります。
芯硬度も鉛筆のF相当と、やや薄い印象だったメタシルの2H相当より2段階も濃くなりました。
メタシルよりもぐっと滑らかになった芯は軽い軸と合わせて、鉛筆とほとんど変わりない書き心地です。
本体価格も税込み330円、替え芯も198円とかなり試しやすい価格設定で、学生さんにおすすめのメタシルです。
メタシルは薄い?
メタシルの芯は黒鉛を含む特殊合金で出来ており、硬質で摩耗が少ないため削る必要がなく長時間書き続けられるのが特徴です。
けれども芯が硬質な分、筆跡も非常に薄いと発売当初から話題になっていました。
実際に2Bの鉛筆と日ごろ利用しているHBのシャープペンと比較してみました。
上から、2Bの鉛筆、HBのシャープペン、メタシルです。
2B鉛筆と比較すると薄い印象ですが、HBのシャープペンとの比較ではそれほど薄さは気になりません。
ただし紙質によっても薄さ(濃さ)は変わってくるので、普段使用しているノートやレポート用紙との相性にもよると思います。
筆跡の薄さが気になるかどうかは、個人差があるかな…と思います。
メタルペンシルの仕組み
「削らず、書ける」メタシルの仕組みは、黒鉛を含む特殊合金製の芯が紙との摩擦により黒鉛の粒子を紙に付着させることによります。
また、特殊合金製の芯は硬質なため鉛筆のように周りを木材などで囲んで保護する必要がありません。
そのため、メタシルは筆記可能な芯部分がペン先に全て露出している状態で使用します。
硬質で非常に摩耗の少ない芯の部分が最初から全て露出しているため、削る必要がなく延々と16kmの筆記が可能になるのです。
メタシルの替え芯
メタシルにはサンスター文具より発売された公式の替え芯があります。
税込み440円とお財布にも優しく、Amazonや大型の文具売り場であれば購入可能です。
芯の交換方法もとても簡単で、ねじ式になっている芯部分をクルクルと回して取り外します。
替え芯もねじ式になっているので、外した本体軸部分に回して取り付ければ完了です。
ただし、メタシルの替え芯はメタシルライトノック、メタシルスクールには利用できないのでご注意ください。
(ライトノック、メタシルスクールには専用の替え芯が販売されています)
折れたときの対処法
特殊合金製の硬質な芯が特徴のメタシルですが、高いところから落としてしまったり、硬い場所にぶつけてしまったりで芯が折れることもあるようです。
芯が折れた場合は破折面の状態によっては瞬間接着剤を利用することもできそうです。
ただし、折れた場所や接着面の大きさによっては筆圧で何度も折れることを繰り返す可能性はあります。
メタシルの芯が折れたときは替え芯に交換するのが一番のおススメです。
メタシルの削り方
メタシルの芯は特殊合金製で硬質なため摩耗が少ないことが特徴ですが、書き続けていけば少しずつですが芯先は丸くなっていきます。
芯先を尖った状態に戻したいときは紙やすりで削ることができます。
ただし、公式では推奨されていないため試される場合は自己責任でお願いします。
どこで売っている?
発売当初は人気のあまり、店頭でもネットでも品薄の状態が続いていたメタシルですが、現在では比較的いろいろな場所で手に入りやすくなっています。
下記の3カ所でメタシルの販売を確認できました。
また、メタシルの類似商品が100均でも購入できます。
詳しくはこちらの記事を参考にされてください。
消しゴムで消える?
黒鉛を含む特殊合金製の芯が特徴のメタシルですが、一般の鉛筆と同じように普通の消しゴムで消すことができます。
メタシルで書いた文字を3種類の消しゴムで実際に消してみました。
鉛筆の文字と同じようにきれいに消せます。
文字を書く仕組みが鉛筆と同じ黒鉛の粒子によるものなので当然かもしれません。
ただし、芯が硬いので筆圧が強い人は文字跡が残りやすいので注意してください。
メタシルのまとめ
金属鉛筆メタシルについて解説しました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
- メタシルは特殊合金製の芯で削らずに16kmも筆記可能な金属鉛筆
- メタシルの芯はやや薄め、用紙との相性でも変わるので確認が必要
- メタシルには公式から替え芯が発売されている
- メタシルが折れたら替え芯を使うのが一番おススメ
- メタシルはAmazonやロフトで買える、類似品なら100均にもある
- メタシルは消しゴムで消せる
金属鉛筆のメタシルですが、個人的には購入する前と実際に使用してみてからとで印象が大きく変わりました。
一部の筆記具マニア向けの商品なのかなと思っていたのですが、実際には日常的に利用しやすい「新しい筆記具」といった感じです。
シャープペンよりも鉛筆に近く、鉛筆よりも重量感があるため、うまく表現できないのですが独特の書き心地があります。
イラストやデザイン画などで鉛筆をよく利用されている方や、逆に鉛筆を最近利用しなくなったような方にも試してほしいなと思う商品です。