子供の頃から一番なじみがある筆記具といえば鉛筆ですよね。
日ごろ何気なく利用している鉛筆ですが、メーカーごとの特徴や硬筆用やマークシート用など用途が特化された鉛筆の違いって何なのでしょう?
今回は鉛筆の種類や特徴を解説しています。
どうせ使用するなら好みや用途にあった鉛筆を選びたいと思っている方必見です。
鉛筆の種類:メーカー別
日本で販売されている鉛筆の長さや芯の硬度にはJIS規格による規定があります。
同じ規格で製造される鉛筆ならほぼ同じだと思いそうですが、メーカーごとの特色があり「鉛筆はコレでないと」なんて固定ファンもいるほどです。
今回は、国内の鉛筆メーカートップ2社と憧れのドイツブランド1社を比較検証してみました。
トンボ鉛筆
トンボのロゴマークが可愛いトンボ鉛筆は1913年創立の日本の文具メーカーです。
MONOといえば消しゴムを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、元々は試験用製図用鉛筆の製造販売が先にスタートしています。
MONOブランドの鉛筆は「1ミリ立方に80億個の粒子を持つ」芯が特徴の、書き味と強度と濃さを兼ね備えた高級鉛筆です。
商品名 | MONOR | MONO | MONO100 |
価格 | 77円(税込) | 110円(税込) | 165円(税込) |
硬度種類 | 8種 2H,H,HB,B,2B,3B,4B,6B | 12種 4H~6B (F含) | 17種 9H~6B (F含) |
特徴 | 高級鉛筆「MONO」を広く、もっと手軽に | 製図・デッサンに適したプロユースモデル | 芯・木軸・装飾共にMONOシリーズ最高級 |
MONOブランド以外にも、環境に配慮した木材を使ったネイチャーシリーズや、児童向けのippoシリーズなど、鉛筆だけでも多彩なラインナップです。
MONO鉛筆は3つのクラスがあり、今回は最上位クラスMONO100の2Bを試しています。
良い意味で一番鉛筆っぽい書き心地だと感じました。
塗りつぶしたり、塗り広げたりするよりも、線を引いたり文字を書くのに適した芯だと感じます。
三菱鉛筆
三菱鉛筆は1887年創業、日本で初めて鉛筆の工業生産に成功した国産鉛筆のパイオニアです。
事務用鉛筆や学用品鉛筆だけでなく、マークシート用や硬筆書写用など幅広く商品開発されています。
その中でもUniシリーズの鉛筆は海外でも高い評価を得ています。
商品名 | Uni star | Uni | Hi-Uni |
価格 | 77円(税込) | 110円(税込) | 165円(税込) |
硬度種類 | 7種 2H,H,HB,B,2B,3B,4B | 17種 9H~6B (F含) | 22種 10H~10B (F含) |
特徴 | 学生からプロの方まで | 「Bの黒さでHの硬さ」 | 黒く、きれいに書ける理想の芯 |
高級鉛筆に分類されるUniシリーズは良質な原料と高度な技術で「Bの黒さでHの硬さ」を実現した折れにくくなめらかな書き味の鉛筆です。
書き味のなめらかさに加え、Hi-Uniシリーズは22種類もの硬度を揃えており、愛好家が多いのも納得です。
Uniシリーズの最上位品であるHi-Uniの2Bを試してみました。
今回比べた3本の鉛筆の中で一番黒さを感じる芯でした。
しっかりと硬さもありますが、紙面に触れる芯先はややねっとりとしたような独特の滑らかさを感じます。
硬いのに滑らかで、塗り広げると粒子の柔らかさを感じる、不思議な書き心地です。
デザインやデッサンなど、絵を描く方に選ばれるのもわかる気がします。
ステッドラー
鮮やかなブルーの軸色と軍神マルスの横顔が印象的なステッドラー社は1835年を始まりとするドイツの文具メーカーです。
製図用、デッサン用以外にも、児童向けのかきかた鉛筆も製造販売しています。
製図用鉛筆がスタートとなるルモグラフは、天然黒鉛を原料とし硬質で紙面への定着の良さが特徴です。
硬度種類も世界一を誇る10H~12Bまでの24硬度もあります。
商品名 | Mars Lumograph |
価格 | 187円(税込) |
硬度種類 | 24種 10H~12B(F含) |
特徴 | 製図・アート・デザインなどのプロユーザーから厚い信頼 |
ルモグラフのシリーズも6種類ありますが、今回は一番メジャーな鉛筆商品であるマルスルモグラフの2Bを試してみました。
同じ硬度でもステッドラーの2B鉛筆が一番硬さを感じ、色味も薄く感じます。
硬いけれども、Hi-Uniとは違うスルスルと軽い滑らかさがあります。
塗りつぶすと、黒鉛の粒子が紙面にピタッと定着し表面がツルリと仕上がる印象です。
細い芯先で細かな線を描きこんでいくような描写に適した鉛筆かなと思いました。
鉛筆の種類:用途別
一般的な鉛筆以外にも、利用される状況を限定することで特徴を際立たせた鉛筆があります。
今回は硬筆用、マークシート用、消しゴム付きの3種類を紹介しています。
硬筆用(かきかた)鉛筆
小学校のかきかたの時間などに利用される硬筆書写用鉛筆は、太く滑らかな芯が「とめ・はね・はらい」を筆のように表現できる特徴の鉛筆です。
多くのメーカーから発売されていますが、2Bや4Bなど芯硬度が柔らかく濃いものがほとんどです。
今回使用したUniシリーズの硬筆書写用鉛筆は、芯に特殊な油分が含まれており通常の鉛筆芯よりも滑らかさを1割増してあります。
高級粘土を使用しており、力を入れても折れにくい芯になっています。
実際に使用してみると、通常の鉛筆よりも紙当たりが柔らかく黒々とした発色の良さも感じます。
何より削ってみて、芯の太さに驚きました。
実際に同じ4B鉛筆で比べてみましたが、差は歴然です!
削り方で調節し自由な太さの線を描けるので、表現力豊かな文字が書けそうです。
マークシート用鉛筆
マークシート用鉛筆は自動読み取りに対応するため、黒く濃くマークできて消した跡が残らないなどの特徴がある鉛筆です。
トンボ鉛筆、三菱鉛筆など数社から発売されています。
試験内容によっては文字が刻印されている筆記具が禁止となるため、無地軸のものや同じく無地の消しゴムとセットになった商品もあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
消しゴム付き鉛筆
消しゴム付きの鉛筆は消しゴムを忘れてしまったり、紛失してしまったりなどイザというときにとても便利な鉛筆です。
鉛筆の後ろに固定させるため、通常の消しゴムよりやや硬めのゴム製消しゴムが多いので「きれいに消せない」との噂もあります。
実際には改良を重ね品質も上がっているため、通常の消しゴムと変わらない消し心地の物も多いようです。
他にも消しゴムを固定する金具の名称など、気になる方はこちらの記事をご覧ください。
一般的な鉛筆の形は3種類
一般的に鉛筆の軸型は六角形、三角形、丸軸の3種類がほとんどです。
六角軸
最も一般的な鉛筆の軸型が六角形です。
転がり防止のために、丸軸ではなく角のある形が採用されています。
また鉛筆の持ち方の基本である3本指で持ちやすいため、3の倍数である六角形が一般的になったと言われています。
三角軸
三角軸の鉛筆は鉛筆を使い始めの小さなお子さん用に販売されていることが多い軸型です。
軸の側面である3面を3本指で押さえると、自然に正しい鉛筆の持ち方が身に付くとされています。
ただし、三角軸の鉛筆は種類によっては鉛筆削りで削りにくいこともあるようなので、注意が必要です。
丸軸
丸軸は色鉛筆に多い軸型です。
黒鉛芯に比べ折れやすい材質だった色鉛筆の芯を保護する理由で、丸軸が多く採用されたと言われています。
最近では色鉛筆芯も良質になっていますが、以前からのなごりで丸軸のものを多くみかけます。
他にもキャラクターなど柄がプリントされた鉛筆は丸軸のものが多い印象です。
特殊な軸型として、合格にちなんだ五角形の「合格祈願」鉛筆や、星形、ハート形などちょっと変わった形の鉛筆も販売されています。
売り場で色々と探してみるのも楽しいかもしれませんね。
参照:東京鉛筆組合昭午会(えんぴつミュージアム いろいろな鉛筆)
鉛筆の種類まとめ
鉛筆の種類について解説しました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
- 鉛筆メーカーごとの特徴を知って好みに合った鉛筆を選ぶと良い
- 硬筆用やマークシート用鉛筆はシーンに最適な仕様になっている
- 持ちやすさや書きやすさなど、鉛筆軸の形も意識して選ぶのがおススメ
鉛筆の使用感についてこまごまと書いていますが、全て個人的な感想です。
今回使用した鉛筆はどれも上質な物ばかりなので、書き心地の違いといってもささやかなものでした。
けれども、その微妙な違いをぜひ試してみて欲しいなと思います。
さまざまな種類の鉛筆を試して、自分の好みにあった鉛筆を見つけてくださいね。
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