国産鉛筆二大巨頭のひとつ、三菱鉛筆にユニ以外の鉛筆があるのはご存じですか?
三菱鉛筆9800というちょっと変わった名前の鉛筆について今回は解説しています。
同じような名前の三菱鉛筆9000やユニシリーズとの違いなど。
安くて質の良い鉛筆を探している方は、ぜひ最後までぜひご覧ください。
三菱鉛筆9800
三菱鉛筆と聞くとまず「uni(ユニ)」シリーズが思い浮かぶ方も多いと思いますが、今回ご紹介する「三菱鉛筆9800」はユニシリーズより12年も早い1946年(昭和21年)に発売されています。
発売から80年近くたった今でも広く愛される、国産の事務用鉛筆のスタンダードです。
実は、三菱鉛筆にはこの9800以外にも同じ「事務用鉛筆」というカテゴリーで「三菱鉛筆9000」という商品が存在します。(参考:三菱鉛筆公式ホームページ)
ちょっと気になる商品名の9800や9000といった4桁の数字ですが、公式ホームページではその由来について言及はされていません。
ただし、ドイツの文具メーカー、ファーバーカステル社の「カステル9000」という100年を超えて愛される世界的に有名な鉛筆に倣ったものではないかという説が有力なようです。
9800の使い心地
三菱鉛筆9800は「事務用鉛筆」とされているだけあって、業務用に幅広く使用されることを前提とし開発された商品です。
実際に価格だけ見てもユニシリーズは1本110円(税込)ですが9800は1本55円(税込)と半額の設定です。
デッサンや硬筆書写用に滑らかな書き心地を追求されているような商品とは違いますが、書き比べてみて品質が劣るかといえば、そんなことはありません。
紙あたりや芯の滑りなど、文字や線を描いても特に気になる点はありませんでした。
普通に筆記具として文章や事務作業に使用するには全く問題ありません。
9800と9000の違い
三菱鉛筆9000は9800発売の4年後1950年(昭和25年)に発売されています。
三菱鉛筆9800と9000の分かりやすい違いは価格です。
公式ホームページでは9800は1本55円(税込)ですが、9000は1本66円(税込)となっています。
特に公式ホームページに明記はされていませんが、発売時期や価格から考えて9800より品質や製法など上位モデルとして発売されたものだと思います。
そしてもう一つの違いは硬度(芯の濃さ)のラインナップです。
9800は2Hから2Bまでの6種類ですが、9000はHBから4Bまでの5種類しかありません。
一番使用頻度が高そうなHBや2Bはどちらにも含まれています。
普段から濃い芯を使われる方なら9000を、硬めの芯がお好みの方は9800を選ぶと良いと思います。
硬度の違う芯なので比較画像としては適当ではありませんが、実際に書き比べてみました。
上が三菱鉛筆9800の2B、下が三菱鉛筆9000の4Bです。
書き心地や紙当たりの滑らかさなどに大きな違いは感じませんでした。
商品名 | 三菱鉛筆 9800 | 三菱鉛筆 9000 |
---|---|---|
発売年 | 1946年(昭和21年) | 1950年(昭和25年) |
価格(税込) | 55円/1本、660円/箱 | 66円/1本、792円/箱 |
硬度種類 | 6種(2H,H,F,HB,B,2B) | 5種(HB,B,2B,3B,4B) |
9800とユニの違い
三菱鉛筆9800とユニシリーズの違いで一番気になったのは公式で分類される際のカテゴリーの違いです。
三菱鉛筆9800と前項で紹介した9000は、公式ホームページでも公式の総合カタログ内でも「事務用鉛筆」としてユニシリーズとは別カテゴリーに分類されています。
では「ユニシリーズのカテゴリーは何か」とういと、なんと品名そのまま「ユニ/ハイユニ」という分類になっているのです。
三菱鉛筆ユニは公式ホームページ内「uniの歴史」の中で高級鉛筆のスタンダードと表現されています。
このあたりから考えても、ユニシリーズはそれまでの事務用品としての鉛筆とは一線を画した商品であることがわかります。
三菱鉛筆のユニシリーズは開発のきっかけが「海外製品に負けない国産の高級鉛筆を」という想いであるため、当然かもしれませんね。(参考:三菱鉛筆公式ホームページ内 uniの歴史)
三菱鉛筆9800とユニを書き比べてみました。
単独で使用すると気になりませんが、ユニと比べてみると書き心地に明らかな違いを感じました。
紙当たりの滑らかさや紙にのる黒鉛の粒子の細かさなど、やはりユニの方が品質の高さを感じます。
ユニシリーズについて詳しくは別記事でも解説していますので、よろしかったら参考にされてください。
三菱鉛筆9800まとめ
三菱鉛筆9800について解説しました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
- 三菱鉛筆9800は70年以上愛されている国産事務用鉛筆のスタンダード
- 三菱鉛筆9800と同じ事務用鉛筆の三菱鉛筆9000もある
- 三菱鉛筆9800は比較的安価だが品質は問題なし、ダース買いにおすすめ
何となく三菱鉛筆といえば「uni」というイメージがあったため、uni以外の鉛筆もあるというのはちょっとした驚きでした。
けれども、パッケージといい緑色の本体デザインといい、昔ながらの鉛筆といったスタイルの三菱鉛筆9800、使っているととても愛着がわいてきます。
比較的安価なため、普段からよく鉛筆を利用される方やまとめ買いがしたい方などにおススメの鉛筆です。
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