鉛筆などで書いた字や絵を、簡単に消すことができる消しゴム。
子どもから大人まで多くの人たちに愛され、なくてはならない文房具のひとつです。
今回は、消しゴムの材料から歴史、定規などのプラスチックが溶ける原因まで解説します!
プラスチック消しゴムとは
プラスチック消しゴムとは、「ポリ塩化ビニル(通称:塩ビ)」というプラスチックを原材料に作られる消しゴムのことです。
経年劣化しにくく、ゴム臭がしないことから、現在流通している消しゴムのほとんどがポリ塩化ビニルを使用したプラスチック消しゴムとなっています。
有名なトンボ鉛筆のMONO消しゴムにも「PLASTIC ERASER」(プラスチック消しゴム)と記載がありますね!
プラスチックの配合によって、性質を変化させることができるため、最近ではまとまるタイプやハードタイプなどさまざまな種類の消しゴムが作られています。
プラスチックが溶ける理由
「消しゴムと定規を同じ筆箱に入れていたら、定規が柔らかくなったり溶けてしまったりした」という経験はありませんか?
これは、プラスチック消しゴムに含まれる「可塑剤(かそざい)」というプラスチックを柔らかくするための添加物によるものです。
可塑剤は、プラスチックに触れると溶けて融合する性質をもっているため、消しゴムが他のプラスチックに接触すると溶けたような状態になってしまいます。
消しゴム本体と同じく、消しカスもプラスチックを溶かすことがあるので、使い終わったあとは適切な保管・片付けを心がけましょう。
プラスチック消しゴムの歴史
消しゴムが誕生したのは、1770年。
酸素の発見で有名なイギリスの化学者プリーストリーが、えんぴつの文字を“天然ゴム”で消せることを発見したのが始まりです。
日本に消しゴムがやってきたのは明治時代で、日本で最初に消しゴムが作られたのは1886(明治19)年のことでした。
その後、義務教育のスタートなどにより本格的に消しゴムの生産が始まり、いくつかの消しゴムメーカーが誕生。
最初は、天然ゴムを材料とする消しゴムを作っていましたが、材料を輸入に頼っていたため、安定した生産を目指し天然ゴムに代わる材質の開発が進められました。
あわせて、日本のメーカーは消しゴムの消す力を高める研究を続け、1959年にはどの国よりも早く「プラスチック消しゴム」を発売しました。
そこから約60年ほどたった現在でも、日々改良を重ねながらさまざまな種類の消しゴムが販売されています。
プラスチック消しゴムのまとめ
今回はプラスチック消しゴムについて解説しました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
- プラスチック消しゴムの主な原料は「ポリ塩化ビニル」
- プラスチックが溶けるのは「可塑剤」という物質が入っているため
- 初めてプラスチック消しゴムが作られたのは1959年で日本が世界初
歴史は古く、約250年前からかかせない文房具として活躍し続ける消しゴム。現在は、プラスチックを始めいろいろな形や色、素材の消しゴムが登場しています。ぜひ自分のお気に入りのひとつを見つけてみてくださいね。
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