渋めの軸色と金字のブランドロゴ、見るからに高級感あるデザインの鉛筆。
今回は高級鉛筆のスタンダードと言われる三菱鉛筆ユニ(uni)を紹介しています。
調べてみてわかった、その開発の歴史や書き心地、ハイユニ(Hi-uni)との違いなど解説しています。
もともと鉛筆好きな方も、大人になって改めて鉛筆の魅力に気づいた方もぜひ最後までご覧になってください。
三菱鉛筆のユニ
三菱鉛筆のユニ(uni)は1958年(昭和33年)の発売より国産高級鉛筆のスタンダードとして60年を超えてなお広く親しまれています。
当時の技術者が海外視察時に感じた日本製鉛筆への評価の低さを払拭するため、5年もの歳月をかけて開発した鉛筆です。
より良質な原料を徹底して選定しなおし、不純物を取り除き粒子をどこまでも細かく均一にする技術開発で生み出した最高品質の鉛筆芯が特徴です。
ちなみに、ブランド名のユニ(uni)は英語で「ただ1つの」を意味する接頭語であり、フランス語では「なめらかな」を意味することから名づけられたとされます。
ユニ色として馴染のあるこの軸色も世界の鉛筆で類似色のないように考えられた、日本の伝統色のえび茶色とワインレッドを混合したオリジナルカラーです。
高級感のある大人の鉛筆といったデザインですよね。
ユニの使い心地
三菱鉛筆ユニの2Bと6Bを使用してみました。
比較対象として三菱の事務用鉛筆9800を使っています。
上から「9800 2B、ユニ 2B、ユニ 6B」です。
三菱鉛筆ユニは「Bの黒さでHの硬さ」を併せ持つ品質と言われるだけあり、鉛筆色の濃さがしっかりと出る印象です。
見た目ではわかりにくいですが、芯の紙当たりの滑らかさが9800とは明らかに違います。
塗りつぶした面を見ると黒鉛と粘土の粒子が細かく均一であることが良くわかります。
6Bなど濃い芯になると特に、その品質を感じることができました。
筆圧を上げてもしっかりと硬さを感じる芯ですが、紙の上には滑らかに色をのせていくような書き心地です。
ハイユニとユニの違い
三菱鉛筆ハイユニはユニ発売の8年後1966年(昭和41年)にユニシリーズの上位モデルとして発売されています。
ユニシリーズの微粒子技術をさらに高め、より不純物を少なく滑らかにすることで黒く折れにくい「世界最高品質」の最高級鉛筆として開発されました。
価格もユニが1本110円(税込)ですがハイユニは1本165円(税込)とやや高めの設定。
さらに、驚きなのが硬度(芯の濃さ)のラインナップです。
ユニシリーズは9Hから6Bまでの17種類ですが(それでもかなりスゴイですよね)ハイユニは10Hから10Bまで22種類が揃っています。(参考:三菱鉛筆 公式総合カタログ)
より細かな好みやニーズに応えることが可能なためアーティストやデザイナーにも幅広く愛される鉛筆です。
全種類が一度に揃う「ハイユニアートセット」は贈り物としても喜ばれそうですよね。
商品名 | ユニ(uni) | ハイユニ(Hi-uni) |
---|---|---|
発売年 | 1958年(昭和33年) | 1966年(昭和41年) |
価格(税込) | 110円/1本、1,320円/箱 | 165円/1本、1,980円/箱 |
硬度種類 | 9H,8H,7H,6H,5H,4H,3H,2H,H F,HB,B,2B,3B,4B,5B,6B | 10H,9H,8H,7H,6H,5H,4H,3H,2H,H,F HB,B,2B,3B,4B,5B,6B,7B,8B,9B,10B |
特徴 | 学生からプロまで 良質な原料と微粒子化技術で黒く滑らかな芯 | デッサンや鉛筆画など 大小の粒子を混合し滑らかな芯を追求 |
三菱鉛筆のユニまとめ
三菱鉛筆のユニについて解説しました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
- 三菱鉛筆ユニは国産高級鉛筆のスタンダード商品
- 三菱鉛筆ユニは独自の技術開発で「Bの黒さでHの硬さ」の滑らかな書き心地
- 三菱鉛筆ユニには上位モデルのハイユニシリーズもある
ワインカラーの見た目から高級感のある三菱鉛筆のユニですが、今回しっかりと書き心地を確かめて、改めてその品質の高さを感じました。
滑らかな芯ってこういうことか…と感じてみたい方はぜひ、試されてみてくださいね。
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